インド
と聞くと一度は行ってみたい!
これまで幾度となくそう想っていた。
よく言われる、”呼ばれないと行けないよ。”
いつ呼ばれるのだろう。。。なんて想っていたなあ~
が、遂に!喚ばれてしまった!!
千差万別、それぞれのインド体験があると思いますが、 これからの綴りは自分のインド体験になります。
路上にてライブスクリーンプリントをするBig O project。
Support OrganicやDo Upcyclingをメッセージとして5年。
自身の取り扱うオーガニックコットンのTシャツがインド産で、
その1枚を作るのに200gのコットンが使われ、 その200gの綿を育てるのに2000lの水が必要で、
もしその綿がオーガニックでない場合、大さじ10杯の農薬が その1枚に使われていて、と頭では知っているのだけれども、
実際のところ、だれが、どんなところで、どんなおもいで、どーやって? 農薬を一切使用しないで、
このオーガニックコットンTシャツを作っているのか? それを見たくて、このMessage Tシャツを作ってくださっている
繊維商社の豊島が始めた地球にちょっと良い事を!をテーマにした部署である
オーガビッツにお願いをして、昨年12月、コットンの収穫期を迎えた インド、オリッサ州の村に付いて行ったのでした。
ヒマラヤを横目に飛行機でNew Delhiへ、
国内線に乗り継ぎ真逆のVishaka Phatnamへ、そこで現地のオーガニック農業支援をするNGO団体
Chettna Organic(チェトナオーガニック)の方々と合流し、 そこから寝台列車で6時間、
Keshingaという駅に夜中と早朝の間に到着し、そこから車で小一時 間。。。
その日はそのままChettnaのオフィスにて爆睡。 翌朝またまた車で小一時間移動してやっとこさたどり着く。
そこは何にもないが、全てが在るところでした。
寝台列車で一緒になったラディッシュさん
インド人はおしゃべりが大好きと聞いてはいたけど、ちょっと話しかけると 会話が弾みます。
公用語で22種類もあるインド、お札にも沢山の言語で1ルピーと記されている。
なので、都会の乞食にも英語が通じます。
インドに着いてから上がりっぱなしの自分。
そんな自分がインドで寝台列車なんて、まるで何かの小説 のよう。
さっそく目の前に座ったラディッシュさんとコミュニケーション!
"おいら達はオーガニックコットンの畑を訪れに日本から来たんですが、 Youは何をしにとてつもない田舎にむかっているの?"と質問。 すると”私は脳神経の医者です。日頃からとても沢山を神からを与えていただいていると思ってる。
だから私の診察、治療を必要としている人々に、私が与える事ができることを施しに向かっているんだ。” とラディッシュさん。
わあおおおーーー 始まりましたっあ!!! いんどおおおおお!!!
ここからはおしゃべりマシンガン炸裂です!!!
”いいかい、よく聞けよ。
インドってえ~のはな、7000kmのコーストラインとヒマラヤ!
これがインドなんだよ。”
すなわち、インドはヒマラヤの裾野であるこの広大な土地、そしてヒマラヤから流れる豊潤な水がある 農業大国!
農産物の輸入はZERO!! この13億人もの民は自国でその命を支え、自活をしていたのでした!!!
とそんな話をしていると、一緒に旅をしている若者が、”タバコってすえるんですかね?”と。
すると私は”ダージリンエクスプレスっていう映画見たことある?
その映画の中では窓から顔を出して 吸ってたぜえ~”と ”じゃあ踊り場に出て吸ってきま~す”と若者。
その後もラディッシュさんとの会話が弾む。 ”いいかい、インド人の大好きな話題は3つだ!”とラディッシュさん。
”クリケット、ボリウッド、ポリティクス”
日本で政治の話題を女子とすると煙たがれるけど。
場所が変われば全て変わるもの。 そーいえばChettnaの事務所でもみんなで国会中継に見入っていたなあ。
”そんなに興味があるということは、この国の投票率は高いの?みーんな選挙に行くの?”と聞いてみる。
すると”俺は行かない”と偉そうに言う。
でたあ~ザインド!
この暖かいんだか、冷たいんだか、よくわからないこのバランスがインドなのです。
そこら中ウンコだらけだからって、ここでタバコ吸ってもダイジョブっしょっ!とか思って吸っちゃダ メ。
そこら中を徘徊している牛を聖なる神の使いと崇めておきながら、牛が物乞いしにくるとあっちいけ! バッシッっとひっぱたく。
このコントの中に入り込んでしまったかのような感覚。笑うところが満載なのです。
話はポリティクスに戻って、ラディッシュさんが聞いてくる。 ”アメリカに政党はいくつある?” ”2つ”と答える。
”じゃ日本にはいくつある?” 律儀に指を数えて、”10ぐらいかな”と自分。
”インドにはいくつあるとおもう?” 全くわからないがカンで”5つ”と言う。
”この国には300を超える党があるんだぜえ~”とラディッシュさん。
”でもインドは最近すごいスピードで発展していて、この国の民、全員が奇麗な水にアクセス出来るよう になって欲しいし、
インフラが整って自由に移動出来るようになって欲しいと願っている。
だから全員 が今、この国が何をしようとしているのかということにとても関心があるんだ”
などと話をしていると通路を挟んで寝そべっているインド人が自分を呼んでいる。 踊り場でおまえの連れが揉めているぞ!と。
通路を振り返ると、マシンガンをひっさげた制服姿の方々がタバコを吸いに行った若者を問いつめている。
英語が苦手な彼に変わって自分が呼び出される。
”どーしたんですか? What’s going on?”
“こいつがここでタバコを吸っていた。公共の場所でタバコを吸うことは禁止とされている。
ここにも書いてあるが、10万ルピーの罰金を払ってもらぞ!
とにかく乗車チケットをみせろ”というので、座席に取りに戻ると、
”どーした?”とラディッシュさん。
”いやあ~これこれこうで、10万ルピー払えって言われちゃって。。。”
というやいなや、いきなり腕を捲り上げて”テヤンデエーっ”とラディッシュさんが江戸っ子に変身!
そのマシンガンを持った制服姿に突進し、マシンガントークを炸裂!!
ここからは何を言っていたのか推測ですが、たぶんこんな感じ!
”オラアッー コイツラハ ワザワザ エンドハルバル ニホンカラヤッテキテンダゾオー! ソンナゲ ストニ クダラナイコトイウウナッ!”
するとその制服が”ジャア ルール ハ ドーデモイイッテイウノカアッ”。とやりあってくださり。
もう乗車している全員が味方になって制服をニラム。
塩をかけられたそのマシンガンと制服は溶けていなくなるかのようにフェードアウト。
そんなこんなで 一件落着!
この出来事で長時間の旅の殺伐とした車内の雰囲気が一変し、
一気に人類皆兄弟となり、満点の星空の下、列車は皆を乗せ線路を行くのでした。
一難去ってからラディッシュさんから訓示をいただくことに。
”郷に入れば、郷に従えって言葉、知ってるか? ここインドではあらゆる人種があらゆる言語で生きているんだ。
おまえらは日本からきたツーリストのつもりかもしれないが、 ここじゃおまえらのパスポートを確認しないかぎり、
お前らが日本人だなんてことはわかんないんだ ぞ!”と。
日本人から脱却し、地球人となった瞬間
みんながそれぞれ違って当たり前ということをベースに成立っている素晴らしさを、
そしていろいろな 事が起こるが、必ず最後にはHappyend、everything is allrightなインドの寛大さを実感すると同時に
ラディッシュさんの人格者ぶりに圧倒された素敵なインド体験となりました。
駅に到着しラディッシュさんとお別れ。駅構内で布に包まる人々を横目に お迎えの車に乗り込み、本日の宿へ。
噂通りの水しかでないシャワーを浴び、バタンキュ~。。。 数時間目を閉じて、念願の収穫期を迎えたVillegeへ。
いざ村へ!
翌朝、宿泊先であるChettnaの事務所から下を眺める。 車、力車、バイク、自転車、頭に沢山乗っけて歩く人が行き交じっている。
その道に車に引かれたであろう真っ赤な血を頭から流している野良犬。
死が日常にある雰囲気。
そんな小さな町を過ぎ去り、行き交う人々、畑だらけの景色、そして山の中を抜けると黄色いお花や、 弾けた白いものが増えて来た!そうです!コットンの花は黄色くて、それが枯れて実が膨らみ、弾けて白い綿がなるのです。
進めば進むほどいつの間にかそこら中コットン畑。
ついに来ちまっただあっ~感が急上昇!
すると車が止まり、大爆音の打楽器の音が鳴り響き始め、
インドの民族衣装であるKhadi(カディ:コットンを手で紡ぎ、手で織ったもの)を身にまっとた素敵な笑顔の方々にお花の首飾りをかけてもらい、眉間に赤い印と黄色いお米をつけていただく。
唯一知っているヒンディ語である”ナマステ~”を連呼。
頭の中では清志郎の”ヨーコソオ~”
うれしすぎる!!!
そのまま村の集会場のような装飾のされた布で四方と天井が囲まれた中に通されごあいさつ。
刺繍作家である二宮さんの刺繍ワークショップが始まり、しばらくそのやりとりを眺める。
あま~くてあついチャイをいただく。
するとワークショップの人の集まりを抜け出て、村の周辺を散 歩。
手作りの建物、自由に行き来する動物たち、広大なコットンフィールド、川、遠くに見える山。
あるもので全てが出来ていて、無駄がなく、糞ですら燃料として使用するように乾燥して奇麗に保管されている。
全てがシンプルに循環の円の中にあり、全てが有機的な線を描いていて、まるで何かの絵画のなかに入り込んだかのよう。
旅で移動移動と忙しくやっていると、次の事にとらわれがちで、今そこにある瞬間に居れないことがあるが、
この田舎道を裸足で肩を組んで歩く子供達や、農作業を終えて休憩前に川で汗を流しにいく人々を見ていると、
なぜだか自分の心の奥底がほっとして、自然と深呼吸をしたり、空をただただ眺めたりする自分に気づく。
そしてこの世の不思議すべてがとても美しく、楽しいことに想え始め、懐疑的な不安なんていう物は一切消えてなくなる。
そしてその大空を巡った感覚は自分に戻って来て、 日々という日常に、そして今に感謝の念が沸き起こり、
旅に来て良かった!と全感覚で感じるのである。
そんなニコニコしている自分にchettnaで有機農法の研究をしているアショカさんがBig O projectについて質問してくる。
”最初はその場でプリントをする事を通じてオーガニックをサポートする事をメッセージとしてシェアする活動だったから、
Big Organicで略してBig Oと言っていたんだけど、
活動を続けていってオーガニックだけではなく、捨てちゃう物や、着なくなったものなどに
プリントを載せてまた洋服達が着られる機会を得て、Upcycleされればなあ~とか、
化学的なインクや、我々の消費活動の事などなど、どんどん メッセージがいろいろな事とリンクをして行って、
オーガニックのOだけでは無くなってしまった。。。
昔から大好きだった”Big Oとの出会い”という絵本があって、
パックマンのように部分的に欠けている子が、その欠けているケーキの部分をうめて、正円となり、
自由に動き回れるようになるためにそのケーキの形に出会って行くお話で、
いろんなケーキの形に出会ってはめてみるんだけど、長すぎたり、短すぎたり、
足す事ばかり考えていてなかなかまん丸になれなく て悩んでいると、
そこにまん丸のBig Oが登場!
きゅるきゅるきゅる~っと自由自在に動き回るBig Oを見てそのパックマンみたいな子は目をパチクリ。
そしてBig Oに自分で動いてみよう!っとしたことあるの?と新しい視点を聞く。
最初はうまく動けないけど、あきらめずに頑張っていくと角が取れていって、
その子もまんまるのBig Oになっちゃうお話知ってる?
だからBig Oとは、参加して、その結果オーガニックがサポートされてたり、無駄なゴミが無くなったてたり。
楽しい事を選んだら世の中が大きな循環の輪(Big O)を描いているというプロジェクトなんです。”と言うと
笑顔のアショカさんが”そしたらここはBig Oかもしれないよ!”と。
広大な有機農法で育てられたコットンフィールドを案内してくれながら いろいろなO(オー)な話を始めるアショカさん。
コットン栽培発祥の地はここインドである事。
アショカさんの着ているKhadi(カディ)とはインドの伝統的な名産品で、
昔イギリスの植民地だったころに 綿だけをイギリスに持ち帰り、産業革命真っ最中の工場でシャツとなり、
それを我々に着ることを押しつけ、我々の産業が衰退したが、
ガンジーが独立運動の時に言った”国が独立するということは、その国には産業が必要である!”ということで、
カディをまとうことが独立運動の象徴となった事。
Chalka(糸車)を回すガンジーの写真を見た事があるだろう?と
そんな糸車はインドの国旗の真ん中に今も記されている事。
オレンジ色はブラザーフッド、白はピュリティ、緑は自然を表している事。
今でもインド人はおじいちゃんから孫まで全員で暮らしていて、先祖代々その場所は受け継がれている事。
だから自分たちが生活を営む地がそのまま自然で、有機的であることがとても大切な事だと想っている事。
ここの村では87人が共同生活をしていて、メインにコットンを有機栽培して、それが収入源である。
土地の多様性を失わない意味もあるが、その他にマーケットで売る用や、自分たちが食べる為の野菜も育てている。
当たり前だけど、インド料理では欠かす事ができないスパイスからすべてがオーガニック。
そうした大小の村々がこのあたりには400ぐらいあるんだよ。
こんなにバカでかい土地なのに石油を使うトラクターとかそういった類のものはなく、
農具もあるもんで手作りしたものを牛などに引かせ、
沢山の手をつかって刈り取っている。そしてそれでいいんだと言 う。
都会じゃ区画整理だ、ITナンバー1だっ!と言っているインド。
でもこのインドの果てに自然と直接的に関わる日々があるが故に、
未来と繋がっている大変だが笑顔の絶えない日々のがあった。
今想うと、あの青空の下、大鍋で料理されたAll made in LocalでOrganicなカリーの味が全てを表して いた。
オーインド!ありがとう!]]>